2015-05-28 Thu
平九郎、最後の時傘杉峠から下ったか、それとも違う道を選んだかは不明だがともかく黒山を目指す平九郎。

しかしそのころ、官軍安芸広島藩神機隊による振武軍敗残兵掃討の捜索が行われていた。
運悪く隊に出くわしてしまった平九郎はその時、尻端折り、風呂敷包みひとつ、草鞋もはかずと茶屋の主人加藤たきの忠告通り農民に扮していたのだが小頭の詰問に不覚にも顔色を変えてしまった。

取り押さえられそうになるや否や小頭の片腕を隠し持っていた小刀で切り落としたが、背後から右肩を切りつけられてしまった。
鬼気迫る平九郎の迫力に押されながらも銃を向ける兵。
一発の銃弾が平九郎の腿を撃ち抜く。
これまでかと観念した平九郎は路傍の大石の上に座り心静かに自らの果てたと伝えられている。


この時、慶応4年5月23日午後4時ごろ、22歳の若さであった。
その場所にはグミの古木があり、平九郎の流した血を吸って今でも真っ赤な身をつけるといわれているらしい。
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