2014-12-27 Sat
純白の貴婦人、優雅に自然を生きる。荒川河川敷では平成3年から白鳥への餌付けが行われ、白鳥飛来地として多くの人々が訪れてきました。しかし、鳥インフルエンザの問題や生態系への影響などを考え、平成20年度から餌付けを廃止しました。その後、白鳥飛来数は減少し、お越しいただく方々も同様に減少しております。
この現状を受け、深谷市及び深谷市観光協会では平成24年3月31日をもって、白鳥飛来地の管理を終了することとしました。ご理解いただきますようお願い申し上げます。
(深谷市HPより抜粋)
~そんなこととはつゆ知らず~
ふと思い立って一路荒川へ。

きっと今頃は白鳥を観ようと荒川の河原も人々で賑わっているかと思いきや・・・
確か十数年前に訪れた時には河原に石焼き芋屋さんなんかもいたりして、専属の監視委員さん(?)などもいたりして、大っきなカメラを構えたひとやコートの襟を立ててじっと見つめるひと、ひとの波。
それが・・・・どうだろう。

今や白鳥のいる瀬に向かう道がどこにあるのかわからなくなってしまうほどの荒れ様。
もちろん、駐車場にも、その周辺にもひとっ子ひとり見受けられましぇ~ん。
陽は次第に傾き始め、いつイノシシが飛び出してきても、クマが突然襲い掛かってきても、牙を剥き出したオオカミに飛びかかれても決しておかしくないような背の高い雑草の隙間にある僅かに残る踏み跡をごそごそと。

白鳥、飽きられたのか・・・・
「人間のエゴでもてはやされたり捨てられたり、ホントに酷い有様だな」
そんな気持ちが頭をよぎり何ともやるせない気持ちになったりして。
やがて視界が開け河原に到着。
あああ、、、、

いた~!
良かった~。
何故かホッとしたね。

岸から数十メートル離れた中州に4羽ほど。
のんびりと陸に上がったり川面に浮いたり。
その姿を暫し眺めていたらあの虚しさが次第に喜びに変わってきたよ。
何故って、当時の餌付けによっておこぼれを頂こうと集まる信じられないほどのカモの群れや人間の騒ぎで、心なしか落ち着きのないように見受けられていた白鳥の姿が、この日は打って変って自由気ままにのんびりと動く姿がとても印象的に映ったよ。
リラックス、これこそが本来の姿なんだよね、と。
その下流に目をやればそこにも十数羽の姿も。

最盛期は300羽ほど飛来したらしいけど今はそれほどの数は見当たらない。
でも、ちゃんと来てくれたんだね。
それが無性にうれしかったよ。
これでいいんだ、人間の力を借りずとも野生は野生の力で生きられるんだよ。
だから綺麗なんだ。

夕闇が迫りくる前にここを離れよう。
そして静かに、静かにね。

ああ、ここの白鳥達がいつまでも安心できる荒川であってほしいよ。
そう願わずにはいられない夕暮れ時でしたとさ。
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