2015-04-23 Thu
”運命に従ふものを勇者といふ” 最終章
羽生の街は何度行ってもよく分からない。
決して大きな街ではないのに。
とにかく道が細いというか・・・。
でも、そんな中で建福寺は異彩。
駅前にある立派なお寺はどこからでもすぐにわかるよ。


このお寺の一室に下宿し、住職と語らい、友人と酒を飲み、暫く暮らしたお寺だ。
そのお寺に「田舎教師」小林秀三(林清三)の眠る墓があるんだ。


大きな墓石には「故小林秀三君之墓」と彫ってある。


そう、友人たちがこの墓石を建立したんだね。
同じ敷地内に幼稚園がある関係上、絶えず子供たちの声がする。
教師として最後を迎えた清三さん。
きっと子供たちの声のするここでにこやかに見守っていることだろうね。
生前は悲しく、淋しく、そして辛い21年の人生だったかもしれないけどこんなに立派なお寺に墓を作ってもらい、そして友人や教え子、更にはこの本を読んだ多くの人達に冥福を祈っていただき、今では雲の上の世界で喜んでいるに違いない。
決してすべてが空しいだけの人生じゃなかったということが今になって証明されているのだと思う。
田山花袋という小説家の目にとまった日記からこの「田舎教師」という作品となり、そしてその日記の筆者である主人公小林秀三さんの冥福を祈り暫し墓石を見つめているとこの静かな羽生という街がやけに愛おしく思えてくるから不思議だよね。
これで「田舎教師」の章は終わりにするが、田山花袋という小説家に対する興味は決して終わることはない。
それだけこの小説の描写に衝撃を受けたというか、ファンになったというか。。。
更に田山花袋という作家の歌碑がかなり多くの土地に存在することも確認しているし。

もちろん、これからことあるごとに紹介していこうと思っているし、ワタクシ自身、それらを見ることが今から楽しみでもある。
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