2023-01-23 Mon
北風に負けるな!夜中、風の音で目が覚める。
ものすごい風だ。
風を切る電線のぴゅうぴゅうと音が半端じゃない。
こりゃ大変なことになるな。

「熊谷めぬま駅伝」
この時期、妻沼町民にとって話題はもっぱらこの駅伝の事、らしい。
挨拶がわりに交わす言葉は「駅伝、走しいねえのかい!?」
その言葉通り、参加チームは何やら150チームを越えるらしい。

下手をすれば妻沼聖天山の春季、秋季祭の人出を越えるほどの賑わいだ。
そのひとたちがちりじりに会場となっている中央公民館から散っていく。
負かされた区間を走るために。
老いも若きも。

中央公民館から南に向かって武道館付近に初めの中継所があった。
ちょっと様子を覗いてみると、ポンポンと跳ねたり、全力疾走したりと、緊張した面持ちのこれから走るのであろうランナーがそこにいた。
深夜に吹いていた風はとどまることなく吹き荒れたままだ。
見れば風に背を向けて走っていくのだろう、この区間。

向かい風の中を走るよりはまだマシだろうが、極寒のこの日を走ることに違いはない。
夏の姿と見間違えるような服装だ。
かじかんだ手で顔を覆う姿が気の毒になるくらいだ。
走れば熱くなるとは言え、走るまでの間、緊張のためと寒さで震える選手たち。

やがてアナウンスが。
「トップ選手きます、ゼッケン〇〇番!」
すっと白バイが通り過ぎるその風景はまるでお正月に見た箱根駅伝の様。
ひとりの選手がランニングとパンツ姿で飛び出す。
その向こうから息を切らしたランナーが片手に襷を握りしめ・・・。
あっという間の出来事だ。

そこに待機していたランナーがまるで100m競争でもするかのように飛び出していった。
すると次から次へアナウンスが飛び交う。
〇〇番、○○番!
次から次へ飛び出していくランナーたち。

ひとしきり襷渡しが終えてもまだそこにとどまるひとたち。
聞けば次の男子の組が遅れてスタートするらしい。
そうか、一度では賄いきれないだけの参加があるっていうことだ。
さすがに150チームが同時にスタートではきつすぎるという。

しかし、挨拶がわりに駅伝の話で盛り上がるとは聞いていたが、この道路の渋滞は気の毒だ。
配達を急ぐ郵便局のバイクがあきれ顔でその先をじっと見つめていた。
この日だけは仕方ない、きっと毎年の恒例行事。
迷惑を被るのはこの駅伝のことを知らずに巻き込まれてしまったドライバーだ。

一向に進まない前の車にイライラも募るだろうに。
そんな中央公民館周辺。
会場を見ればゴールに沸く一段の脇に地元野菜の山。
きっと上位チームへの賞品なのだろう。
ブロッコリーに大和芋。
ふっと吹き出しそうになる、そんな光景だ。
そうして妻沼の町の一大イベントが風も吹きやまぬまま、華やかに終えていった。
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