2019-09-06 Fri
もっともっと・・・。新実南吉
たった29年7か月の生涯。

でも、濃いね、、、このひとの人生も。
貧乏な家で育ち、、、じゃないんだな、、、裕福なお家だったんだけど、、、境遇が・・・。
実母、お母さんが4歳の時に亡くなってる。

そして8歳の時、そのお母さんの実家(新実家)に養子に入るんだけど、、、寂しさのあまり生家(渡辺家)に帰っちゃうんだ。
裕福な農家のおばあちゃんと二人暮らし。
そりゃ寂しくなるわ、、、いくらお金があっても、、ねえ。
でも、その後の新実家ってどうなっちゃうんでしょ。

年表を見ると16最のころから童話を書き始めるとあるけど、16歳だよ、16歳。
今どきの16歳だったら、部活を一生懸命やるか、ゲームに夢中になるか、、、そんなもんでしょう。
勉強を一生懸命にやる子もいるでしょうが、、、童話を書く人はそう多くなはい、、、ましてや、プロ並み、、、雑誌に投稿してる。

いやぁ、天才ですな。
でも、「ごんぎつね」にしても「手ぶくろを買いに」にしても、何となく暗いよね。
底抜けに明るい童話じゃない。
そう言えば展示室に”スートリーには悲哀が必要だ”みたいなことがあった。
これ、きっと自分の幼少の時の辛い経験がそうしたストーりーに影響しているんじゃないかと思うんだよね。

このくらいの時代の作家さんの作品にはこういう感じのモノが多いよね。
だけど小さい子供がごんぎつねを読んだ時に、鉄砲で撃たれて、それで終わる、、、それをどう思うのかな。
子供に聞いてみたいけど、子供、、、いないから分からないなぁ、、、。
きっと今どきのお母さんは、、、、これはちょっと・・・と思うかも知れないね。
でも、これを深く読むと、、、ごんは鉄砲で撃たれてほっとしていたんじゃないかって思うんだよね。
ずっと兵十とそのお母さんにすまない、すまないと思い続けていたに違いないもん。

そんな優しさを表現したかった。
そう思えて仕方ないんだけど。
でも、それじゃ兵十はどうなんだろう。
鉄砲で撃った後に、今まで栗やマツタケを持ってきてくれていたのはごんだったと気づいた。
うなぎを取られてしまったのは、そりゃ悔しかったよね。

そりゃ撃つわな。
でも、一生懸命にその償いをしようとしていたごん。
せめての救いは、そのごんが死んで終わったんじゃないところ。
もしかしたら、その後に兵十が看病をして、元気を取り戻し、山に帰っていったかもしれない。

そうであって欲しいよね。
そういう連想をさせてくれるところがまた憎いよね、、、良いエンディングだよね。
子供もそう思ってくれるといいよな。

こんな作品を残して若くして亡くなった新実南吉先生。
今、雲の上の世界で今の世の中をどう見ているんだろう。
経済戦争だの報復合戦だの、、、手袋をキツネと知っていて、それでも手袋を売ってあげた、そんな優しさ・・・。
今必要なのは、そんな優しさなんじゃないかと、おっさんは思うのでありますよ。
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