2017-02-17 Fri
やさぐれた夜に。生きていれば毎日が楽しい日ばかりじゃない
そりゃ嫌な思いもすれば、辛い出来事も起きる。
当たり前じゃん。
でも、そんな時の心の置き場はどうする?
深夜のコンビニ。
客はワタクシひとり。
こうなったらつよい酒でも飲んで寝ちまおうと洋酒のコーナーや冷された焼酎の類を物色。
そこへひとりの労働者風の黒く厚手のジャンバーを羽織ったお客様来店。
そのお客様は迷わずお弁当を手に取り、無言でレジに。
ワタクシには見慣れた風景。
深夜と言えどもコンビニのお弁当で腹を満たし、そしてまた労働につく人物など珍しくもない。
自分だってそうだ。
やっとその日を終え、静かに寝静まった家で待っているのは夜遊びから帰ってきた猫だけ。
腹を空かせているのか、足にまとわりつく猫は餌にありつけばすぐにお気に入りの寝床へ。
帰宅後の”ひと仕事”を終えた自分も小腹がへっては寝つきが悪いと冷蔵庫を覗くがめぼしい物もなく、濃い目の焼酎のお湯割りを煽りやがて寝落ちる。
深夜のテレビなど見るに値しない番組ばかり。
それでも音量を絞りテレビ相手に愚痴のひとつもつぶやきたくなる。
そうして毎日を過ごしている。
さて、買い物を済ませ駐車場に戻れば先ほどの労働者風のお客様が車内でひとり食事中。
ワタクシ同様、深夜の仕事を終えたのか、それともこれから向かうのか、とにかく一人の食事はどこの場所に限らずむなしいものだ。
それでも休むことはできない。
何故なら止まる事イコール崩壊を意味するから。
明日を生きるための食事は内容を度返しした、ただのエネルギーの補給行動にすぎない。
そのお客様に向かって「お互い頑張ろう」と思わずつぶやいてしまった自分。
誰かがやらねばならない。
だけどその役目が自分であることを時に恨めしくも思う。
深夜のコンビニ。
皆が無言で息を抜く場所。
そんなコンビニの唯一の楽しみのひとつ、「森の戦士ボノロン」の最新版2月号が置かれていた。

今回のボノロンは雨の止まない村のお話。
青い傘は幸せを願う今は亡き母の手作りの傘。

やさぐれた心をほっと温めてくれる森の戦士ボノロン。

酔いの中で読むのはボノロンに失礼かと手に取った洋酒を元の棚に戻し、レジでホットコーヒーを注文してしまった。
今宵の闇は深く長くなりそうな気配だ。

でも、きっと明ける。
明けない夜はかつて一度もない。
何度も読み返すボノロンの微笑んだイラストがやけに身に染みる今宵のひと時となったのは言うまでもない、な。
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